◎PTSD定義◎

PTSDは、日本語では、心的外傷後ストレス障害、もしくは単に外傷後ストレス障害と呼ばれています。

前ページでも書いた通り、衝撃的な体験が心に大きな傷を残し、精神的障害を引き起こす病気です。この病気は、他の精神障害と比べ、その原因に特徴が挙げられます。それは、特定の体験が原因であると明確でなけらばならないとされている点です。

例えば…。うつ病などは、生まれ持った性格(生真面目、神経質など)、ストレスとなる環境や出来事(仕事や家庭環境、人間関係)、生理学的な要因(脳内神経伝達物質の分泌・働きの悪化)が複雑にからみあって起こる病気です。原因となる出来事、体験をひとつに限定するのは困難です。

PTSDの場合は、特定の体験が、心の傷、つまりトラウマ(心的外傷)となって起こる病気。その出来事が、明かに、誰にでもわかる形で存在しなければならないと規定されています。


◎日本におけるPTSD治療の現状◎

大きな災害や事件に対するケアは、前ページでも書いたように、少しずつ前進しつつあります。ですが、PTSDを引き起こす原因となる“心の大きな傷”“原因となる体験”(次ページで詳しく書きますね)は、それだけではありません。家庭内DVや児童虐待、レイプ被害もPTSDの発症原因となります。

治療は、精神科・心療内科で受けるのが一般的です。また、いきなり病院には行きにくい、PTSDかわからないけど精神的ショックを受ける事件・事故を体験したばかりという方は、市区町村の保健所や、都道府県の精神保健福祉センターに相談するのもいいかもしれません。

ただ…。原因となる出来事が明かだからといって、PTSDの治療法に関しては、特効薬や必ず治る方法は見つかってません(もちろん、治らないという意味ではありませんよ)。ただ、やはり心にそれだけのダメージを与えてしまうわけで…。そして、心の問題は、体の問題ほどメカニズムが解明されていないというのが現状。容易に回復する病気とは言えないのです。

PTSDの研究が進んだアメリカでは、生涯でこの病気を発病する確率は10%近いと考えられる…という説があるそうです。しかし、日本でのはっきりとした統計データはありません。日本でも、2002年3月になって、やっとPTSDなどを中心に研究する『日本トラウマティック・ストレス学会』が設立されました。今後の成果に、期待したいと思います。



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