前ページでも書いた通り、『日本トラウマティック・ストレス学会』の“投薬治療の開始に対するガイドライン案”では、保健適用薬がないことから、まずは精神療法を試してみるべきだとされています。


◎精神療法の問題点◎

ところが、精神療法は一回のセラピーに時間がかかるうえ、治療期間も決して短くはなく、医師や心理カウンセラーなどの治療を行う側の人間の力量・レベルの個人差といった問題もあります。また、精神療法も保険適用外というケースが多く(臨床心理士などが運営するカウンセリングルームは、ほぼ適用外。病院の精神科・心療内科の場合は、各病院によって異なる)、高額な治療費という問題が解決されるわけではありません。


◎行動療法◎

その名の通り、行動に着目した療法です。望ましくない行動を減らし、反対に、望ましいとされる行動を増やすことで、症状を誘発するものに慣れさせて、克服を目指すもの。PTSD患者の場合は、トラウマとなる出来事の辛い記憶、不安や怒りなどの反応をセルフコントロール出来るようにし向けていきます。統的脱感作や暴露療法など、いくつかの手法があります。

最近は認知療法(問題点を書く、対話するなど言語化すること解決を探る手法)と合わせて、認知行動療法として行われることもあります。


◎注目の行動療法◎

最近、有効性の高さが注目されている行動療法には、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)があります。

トラウマ体験を思い浮かべながら、医師や心理療法士などの治療を行う人が一定の速度で動かす指を、目で追う…というもの。目のリズミカルな動きによって、脳の情報処理プロセスを活性化することで、トラウマ体験を含めた記憶の処理を速めるという技法です。

また、治療を受けている時の患者の精神的苦痛が、ほかの精神療法よりは少ないと言われているのもメリットです。



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