心の傷は、心的外傷(トラウマ)、もしくは肉体的な傷と混同されない場合に限っては、単に外傷と呼ばれています。PTSDという病気の必須条件とされるものなので、詳しく見ていきたいと思います。
◎トラウマ(心的外傷)◎
トラウマという言葉は、日常的によく使われるものです。例えば、「小さい頃にたくさん食べさせられて気分が悪くなったのがトラウマで、ピーマンが食べられない」という感じに。言葉の使い方は間違っていませんし、医学的にも、同様の意味を持ちます。
つまり…。
ある出来事体験→強いショックを受ける→心に傷を残す→後遺症が残る
ということ、これがトラウマです。
ところが、同じ出来事を経験しても、“心に傷を残す”状態になる人と、ならない人がいます。それは、必ずしもショックの大きさに比例するものではありません。人間には、時が過ぎるにつれてショックが和らいでいき、記憶が曖昧になっていく…というありがたい能力があります。この能力により、出来事体験やショックは、いずれ消化されていきます。
悲しいことに、この能力が上手く働いてくれない場合。それによって心に負担がかかり過ぎると、“後遺症が残る”という段階まで進んでしまいます。ですが、その“後遺症”が、PTSDという病気で現れる人もいれば、違う病気になって現れる人、または、深刻な病気にまではならないという人もいます。
次ページで紹介しますが、PTSDの診断基準は明確に定められています。しかし、PTSDが発症する要因(原因となる出来事体験ではなく、それが病気になってしまう原因)には、性格や家族の精神病歴なども挙げられていて、諸説が研究されつつあるという段階です。確かに、心の痛みは定規のように測れないし、簡単に分類出来るものでもないと(人の感覚を理解するって、一番難しくないですか?)いうことなんだと思います。
◎急性のトラウマ体験・慢性のトラウマ体験◎
トラウマが精神障害を引き起こす場合、トラウマは大きく2分されます。
*急性のトラウマ体験*
地震や洪水などの災害、火事や航空機・自動車の事故、
テロやレイプや傷害などの事件の体験、もしくはこれらの目撃体験
*慢性のトラウマ体験*
DVや、児童虐待、戦争など長期にわたって
繰り返し受ける暴力犯罪の体験、もしくはこれらの目撃体験
このように、トラウマを、出来事体験をした期間で分類するのには、理由があります。詳しくは、診断基準についてのページを参考にしてください。その前に、具体的にどのような症状が出るのかを見ていきましょう。